まち自慢.net
九州各地の高原をピンクに染めるツツジ「ミヤマキリシマ」

九州各地の高原に自生するツツジの一種「ミヤマキリシマ」。植物学者の牧野富太郎氏によって「深い山に咲くツツジ」という意味で「ミヤマキリシマ」と名付けられ、天然記念物にも指定されています。見ごろの時期には山一面がピンクに染まり、多くの登山客が訪れます。
長崎県では、別称「ウンゼンツツジ」とも呼ばれ、県花に指定されています。雲仙では標高700m以上の高地に群生していますが、標高約1100mの仁田峠(にたとうげ)駐車場まで車でアクセスすることができ、人気の観光スポットになっています。
鹿児島県の霧島山では5月中旬から6月下旬ごろ見ごろを迎えます。
ミヤマキリシマの群生条件が標高800m以上の高地と言われていますが、標高610mの低い山で群生が見られるのが大分県の経塚山。大分県には、九州最大級の群生地である万年山(はねやま)もあります。
<雲仙のミヤマキリシマ群落>
雲仙地獄周辺では4月下旬ごろから咲き始め、池ノ原園地や宝原園地の群落は5月上旬から中旬ごろ、仁田峠一帯は5月中旬から下旬ごろが見ごろとなります。仁田峠駅から妙見岳駅までロープウェイが運行しています。
◆所在地:長崎県雲仙市小浜町雲仙
◆仁田峠循環道路運行時間
夏季(4月~10月) 8:00~18:00(下り線ゲート18:45施錠)
冬季(11月~3月) 8:00~17:00(下り線ゲート17:45施錠)
◆通行料金:2009年4月1日より無料
◆アクセス:仁田峠へは全長11.3㎞のスカイラインが通じる。諫早インターから車で90分。
◆HP:長崎観光/旅行ポータルサイト「ながさき旅ネット」
https://www.nagasaki-tabinet.com/
<大分県のミヤマキリシマ情報>
★経塚山(きょうづかやま)★
標高610mで、大分県内で最も早い開花が見られます。山田湧水からの登山道は、フランシスコ・ザビエルも通ったと言われています。県の天然記念物に指定され、例年の見ごろは5月上旬~中旬
◆所在地:大分県速見郡日出町
◆アクセス:国道10号線松屋寺入口交差点を北へ車で15分
★万年山(はねやま)★
九州最大級の群生地。八合目まで車で行くことができ、駐車場から最初の群生地「吉武台(よしぶだい)」まで約30分。さらに奥の群生地「お花畑」までは片道1時間程度。例年の見ごろは5月中旬~下旬
◆所在地:大分県玖珠郡玖珠町山田
◆アクセス:吉武台登山口/大分高速「玖珠I.C」より約35分。はなぐり登山口/大分高速 「玖珠I.C」より約40分
◆HP:一般社団法人玖珠町観光協会
https://kusumachi.jp/
★鶴見岳★
鶴見山上駅周辺から頂上まで遊歩道沿いの山上一帯に5,000株が群生。九州最大級の101名乗り大型ゴンドラの別府ロープウェイが、別府高原駅から鶴見山上駅まで高低差約800m・線路長1,816mの急こう配を約10分で運行しています。
◆所在地:別府市大字南立石字寒原10-7
◆アクセス:JR「別府駅」から車で20分、別府駅西口からバスで「別府ロープウェイ」下車。
◆HP:大分県観光情報公式サイト「日本一のおんせん県おおいた」
https://www.visit-oita.jp/
★くじゅう連山★
玖珠郡九重町から竹田市北部にかけて広がる「くじゅう連山」は、九州本土最高峰の中岳(標高1,791m)をはじめ、標高約1,700m級の山々が連なっており、“九州の屋根”とも呼ばれています。5月下旬から6月中旬にかけて、国の天然記念物に指定されているミヤマキリシマが山頂をピンクに染め、緑とのコントラストが斜面一面に広がります。特に、眼下に坊がツルの草原が広がる「平治岳(ひいじだけ)」からの展望は必見です。
◆所在地:大分県玖珠郡九重町田野
◆アクセス:大分道九重ICから車で約40分
◆HP:大分県観光情報公式サイト「日本一のおんせん県おおいた」
https://www.visit-oita.jp/
<鹿児島県霧島山のミヤマキリシマ>
鹿児島県と宮崎県にまたがる霧島山は火山が形づくった美しい山々や多くのカルデラの池、ミヤマキリシマをはじめとする四季折々の花々たちが独特の景観を見せています。
ただし、令和7年5月11日現在、新燃岳(しんもえだけ)の火山活動に伴う噴火警戒レベル3、警戒範囲は概ね3kmが継続しています。この影響により、ミヤマキリシマの観賞地として知られるいくつかのスポットへの立入ができません。現在、立ち入りが可能でミヤマキリシマが観賞できるスポットは、えびの高原つつじヶ丘、高千穂自然探勝路、高千穂峰・御鉢、韓国岳(からくにだけ)などです。
HP:鹿児島県観光サイト「かごしまの旅」
https://www.kagoshima-kankou.com/guide/51556
霧島市「ミヤマキリシマの開花状況」
https://www.city-kirishima.jp/kirikan/kanko/shizen/2023miyama.html
★えびの高原つつじヶ丘★
えびの高原エコミュージアムセンター駐車場から整備された道を5分ほど歩いたところ。見ごろは例年5月下旬ごろ。
★高千穂自然探勝路(霧島神宮の森散策路)★
高千穂河原駐車場東側に広がる森に整備された遊歩道。
★高千穂峰・御鉢★
天上界から、神が地上に降り立ったと言われ、「天孫降臨」の第一歩をしるした山として知られています。滑りやすく不安定な箇所も多いので、しっかりとした登山用の装備が必要。見ごろは5月中旬から下旬ごろ。
★韓国岳★
標高1,700mを誇る霧島山の最高峰で、直径900m、深さ300mに達する大きな火口を持っています。えびの高原の登山口から1時間30分~2時間ほどの韓国岳山頂付近から臨む、ミヤマキリシマ越しの霧島連山の山並みは見事です。例年の見ごろは5月下旬から6月上旬。
<写真提供>
(一社)長崎県観光連盟
https://www.nagasaki-tabinet.com/