北緯40度 ミルクとワインとクリーンエネルギーの町 くずまき
岩手県葛巻町町長 中村 哲雄 様
岩手県北東部、急峻な山に囲まれ風が強い葛巻町では、過酷な自然条件をクリエイティブな発想で見事克服し、大成功を収めている。
葛巻町では、1975(昭和50)年から、大規模畜産団地の造成を開始し、公共牧場を管理運営する社団法人葛巻町畜産開発公社(くずまき高原牧場)を設立。今日ではレストラン、パンやチーズ工場なども幅広く経営するに成長している。また1986(昭和61)年には、地域に自生している山ぶどうに着目してワイン工場を建設。これらの第三セクター3社での雇用創出は160人。売上高17億6千万円、約6千万円の黒字と、地域経済活性化に多大なる貢献をしている。ミルクとワインでの成功後は、視察のための来訪者が増加。そのため1993年(平成5)年には、「ふれあい宿舎グリーンテージくずまき」を建設し、宿泊施設の提供も開始した。
1999(平成11)年に、風力発電用の風車を設置。このほか、葛巻中学校では太陽光発電、またくずまき高原牧場では畜産バイオマス発電を開始し、昨年にはメタンガスから世界で初めて燃料電池を製造することに成功した。今年は木質バイオマス発電所が建設されるなど、町ぐるみでクリーンエネルギーの開発に取り組んでいる。
この小さな町がクリエイティブな視点に立って取り組んできた数々の挑戦は、単なる地域振興のモデルに留まらず、天然資源が少なく、超高齢化社会を控えた我が国の将来をも映した縮図とも捉えることができる。町の挑戦はまだまだ続くが、葛巻以外に住む我々にとっても、決して他人ごとではないのかもしれない。
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