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-AWARD2005-日本クリエイション大賞
 
2004日本クリエイション大賞 表彰式の模様はこちら
 
「日本クリエイション大賞」2004大賞
 
「人間と動物との共存」を行動展示で実践し全国から集客
旭川市 旭山動物園園長 小菅 正夫 様

旭山動物園は、来園者の減少により一時期は売却の話しも持ち上がるほど厳しい状況にまで追い込まれたが、スタッフの熱意と創意により、2003年には旭川市の人口の2倍以上にあたる82万人を集客。04年の7月・8月には、単月実績としては2ヶ月連続で上野動物園を抜いて全国1位に輝くまでに、奇跡的なV字回復を成し遂げた。(04年度3月期には140万人に達する見込み。) 市から予算を引き出し、実績で証明、さらに予算を獲得し新たな施設に再投資するという好循環の構築は、見事なクリエイションワークといえる。
この園が導入している「行動展示」という手法が注目を集めているが、その背景にある「動物のかわいさではなくすごさを伝える」という、本当に動物を愛する園の姿勢にも心からの敬意を表したい。

 
「日本クリエイション大賞」生活文化創造賞
 
過去と未来を共存させる街 金沢
石川県金沢市 市長 山出 保 様

城下町金沢では茶屋街や武家屋敷などの「街並みの整備・保存事業」、「金沢職人大学校」・「金沢卯辰山工芸工房」における伝統技術の継承、「金沢市民芸術村」における市民の芸術活動のサポートなどが積極的に行なわれている。また石川県や金沢商工会議所・青年会議所などと共同で推進している「オーケストラ アンサンブル 金沢」、「フードピア金沢」、そして、全国に先駆けて実施されている「旧町名の復活」や、開館以来、大変な人気を集めている「金沢21世紀美術館」などの文化事業・文化政策は枚挙に暇がない。
これら一連の活動の背景には、行政の努力はもちろんではあるが、藩政期以来の伝統に裏づけされた、確かな審美眼を持った市民たちの文化・芸術に対する理解や、老舗旦那衆の支援など、メセナやフィランソロピーなどという言葉が日本に紹介される数百年も前から、市民が文化を支援する土壌が自然にあったからに他ならない。単なる「美」の追求や懐古主義、あるいは“道楽”ではなく、金沢では過去と未来の絶妙なバランスで文化が息づいており、都市のデザインをクリエイトしている。

 
「日本クリエイション大賞」教育文化賞
 

『子供の科学』創刊80周年
株式会社誠文堂新光社 代表取締役社長  小川 雄一 様

1924(大正13)年、科学ジャーナリストの原田三夫氏によって創刊された『子供の科学』は、昨2004年、創刊80周年を迎えた。子供の学力低下や理系離れが声高に叫ばれ、科学教育の重要性がますます高まりつつある今日、このような子供向け科学雑誌が果たす役割はさらに大きくなっている。歴代のノーベル賞受賞者や元東大総長なども子供の頃はこの雑誌の愛読者だったという。
80年前に書かれた「発刊の辞」には、自然法則を解明する科学というものの大切さを説きながらも、「自然にしたがって無理のないように生き」るという、この雑誌の基本方針が記されている。自然に対してはあくまでも謙虚で誠実な姿勢があったからこそ、『子科』は80年もの長きにわたって継続することができたのだろう。変えるべきことと、変えてはいけないものの絶妙なバランスをとりながら、一つの事物を継続することも巧みなクリエイションワークである。

 
「日本クリエイション大賞」ニッポンのモノづくり賞
 

世界一の砲丸づくり
有限会社辻谷工業 代表取締役 辻谷 政久 様

埼玉県富士見市でスポーツ用品を設計・製造する辻谷工業は、「砲丸」に関してはつとに有名である。同社の砲丸は、88年のソウル大会から五輪に公式採用。アトランタでメダルを独占した後に迎えたシドニー大会では、1位から12位までの選手全員が、この砲丸を使用。昨年のアテネでも多くの選手に支持され、オリンピック三大会連続で金銀銅のメダルを独占するというとてつもない記録を樹立した。
砲丸作りは高い技術が要るわりには儲けは少ないというが、海外からの破格な技術移転のオファーも跳ね除け「日本人選手が自分の作った砲丸で金メダルを取ることが夢」というその真摯な姿勢と素敵な笑顔は、“職人気質”という言葉を忘れ、地道な“モノづくりの大切さ”を軽んじる傾向にある私たち日本人への警鐘とも取れる。

 
「日本クリエイション大賞」まちおこし創造賞
 

北緯40度 ミルクとワインとクリーンエネルギーの町 くずまき
岩手県葛巻町町長 中村 哲雄 様

岩手県北東部、急峻な山に囲まれ風が強い葛巻町では、過酷な自然条件をクリエイティブな発想で見事克服し、大成功を収めている。
葛巻町では、1975(昭和50)年から、大規模畜産団地の造成を開始し、公共牧場を管理運営する社団法人葛巻町畜産開発公社(くずまき高原牧場)を設立。今日ではレストラン、パンやチーズ工場なども幅広く経営するに成長している。また1986(昭和61)年には、地域に自生している山ぶどうに着目してワイン工場を建設。これらの第三セクター3社での雇用創出は160人。売上高17億6千万円、約6千万円の黒字と、地域経済活性化に多大なる貢献をしている。ミルクとワインでの成功後は、視察のための来訪者が増加。そのため1993年(平成5)年には、「ふれあい宿舎グリーンテージくずまき」を建設し、宿泊施設の提供も開始した。
1999(平成11)年に、風力発電用の風車を設置。このほか、葛巻中学校では太陽光発電、またくずまき高原牧場では畜産バイオマス発電を開始し、昨年にはメタンガスから世界で初めて燃料電池を製造することに成功した。今年は木質バイオマス発電所が建設されるなど、町ぐるみでクリーンエネルギーの開発に取り組んでいる。
この小さな町がクリエイティブな視点に立って取り組んできた数々の挑戦は、単なる地域振興のモデルに留まらず、天然資源が少なく、超高齢化社会を控えた我が国の将来をも映した縮図とも捉えることができる。町の挑戦はまだまだ続くが、葛巻以外に住む我々にとっても、決して他人ごとではないのかもしれない。

 
         
 

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