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推薦映画の紹介

判決、ふたつの希望

『判決、ふたつの希望』08/31(金)より全国順次公開

PHOTO ⓒTESSALIT PRODUCTIONS – ROUGE INTERNATIONAL

2017年/レバノン、フランス/113分 配給:ロングライド
8月31日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー
 レバノンの首都ベイルート。その一角で住宅の補修作業を行っていたパレスチナ人の現場監督ヤーセルと、キリスト教徒のレバノン人男性トニーが、アパートのバルコニーからの水漏れをめぐって諍いを起こす。このときヤーセルがふと漏らした悪態はトニーの猛烈な怒りを買い、ヤーセルもまたトニーのタブーに触れる “ある一言”に尊厳を深く傷つけられ、ふたりの対立は法廷へ持ち込まれる…。
 法廷で次々と明かされていく衝撃の真実と主人公たちが背負った紛争や民族、政治、宗教といった複雑で繊細な問題。忌まわしい過去ゆえに対立する者同士は決してわかり合えないのか。歴史の悲劇を教訓として、新たな一歩を踏み出すことはできないのか。万国共通の“今そこにある問題”を提起しながらも、人間の尊厳や赦しといった普遍的なテーマを追求した感動作。第74回ベネチア国際映画祭最優秀男優賞受賞作品。

推薦コメント

浅香光健(演劇舞踊浅香流 名取)

 キリスト教徒のレバノン人男性とパレスチナ難民の男性との間に起きた些細な口論が裁判へと発展、過熱する報道に争いは国を巻き込む騒動に展開していく。
 政治、民族、紛争といった複雑な問題を扱いながらも宗教や信条を越えてあらゆる人々の共鳴を呼ぶ。人間の尊厳を掛け二転三転する裁判の行方は、重厚な人間ドラマと濃密なサスペンスが見事に融合した社会派エンターテインメント。

 

大黒 昭(株式会社アスピカ 会長)

 舞台は民族・宗派の対立が激しいモザイク国家レバノン。監督も俳優の多くも広義のレバノン人であるだけに現実感ある画面展開になっている。普段であれば見逃してしまう些細な言いがかりも民族・宗派の違いで増強され取り返しのつかない対立にまで発展する。
 映画で語られる「歴史は変えられない。歴史を踏まえて進むこと」というセリフは、今なお民族・宗派の対立に明け暮れる人々への何よりのメッセージ。中東問題を理解する上でもお薦めしたい映画の一つ。

 

山形泰雄(元株式会社松屋 副社長)

 厳しい国内事情の過去を持つレバノンで、感動的な映画が誕生した。多数存在する宗教集団が、微妙なバランスで共存を保っている中、二人の男の公論、諍いで、宗派を異にする人々を巻き込んで、事態が悪循環に陥って行く。緊張感溢れる筋立てである。
 レバノン生まれのジアド・ドゥエイリ監督、この物語を法廷ドラマとして構成し、「正義や赦しという方向に向かえば、そこには争い以外の選択肢がある事を伝えている」と語る。この言葉通り、この作品には「正義」を訴える力がある。

 

ピース・ニッポン

『ピース・ニッポン』07/14(土)より全国公開

ⓒ2018 PEACE NIPPON PROJECT LLC

2018年/日本/111分 配給:ファントム・フィルム
07月14日(土)より、新宿バルト9ほか全国にてロードショー
 数年間に一度だけ、”一期一会”でしか出会えない神々が宿る美しい瞬間があります。本作は8年もの歳月をかけてその場所が最も輝く瞬間を追い求め、全国47都道府県・200箇所以上で撮影された映像を厳選し、高解像度で映画化。空からとらえた息を呑む絶景に加え、知っているようで知らなかった日本人の精神の神秘にも迫る、111分極上の映画体験。
 日本人特有の精神や自然観を歴史とともに紐解いていく「日本人の精神」、世界に類を見ない豊かな気候風土が生み出す季節の変化を巡る「日本の四季」、そして、日本列島を南から北へ、簡単には出会うことができない奇跡のような瞬間を紡いでいく「一期一会の旅」。東京オリンピックに向けニッポンが注目されている今、日本の魅力を再発見する3部構成の忘れられない旅がはじまります。

推薦コメント

馬場 彰(株式会社オンワードホールディングス 名誉顧問)

 此の世に生を受けて、感動を受けた事も数々あったが、本作品からの衝撃はまさにサプライズ以上のものである。中野裕之監督をはじめとするスタッフ一同に深甚なる敬意を表する次第である。
 日本人としてDNAが呼び覚まされた111分であった事に間違いなし。

 

浅香光健(演劇舞踊浅香流 名取)

 8年の歳月をかけて全国都道府県200箇所以上で撮影された映像を厳選。空からとらえた見たこともない絶景の数々、知っているようで知らなかった日本人特有の精神やルーツをひも解いていく。
 すばらしい4K映像と楽しい音楽にのせて改めてこの国に生をうけた幸せを実感。日本に恋しよう!

 

妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ

『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』05/25(金)より全国公開

ⓒ2018 「妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ」製作委員会

2018年/日本/123分 配給:松竹
05月25日(金)より、全国にてロードショー
 三世代でにぎやかに暮らす平田家。ある日、主婦・史枝(夏川結衣)がコツコツ貯めていたへそくりが盗まれた!夫・幸之助(西村まさ彦)からは「俺の稼いだ金でへそくりをしていたのか!」と嫌味の嵐…。ついに我慢も限界に達し、史枝は家を飛び出してしまう。掃除、洗濯、風呂掃除、朝昼晩の食事の準備…主婦がいなくなってしまった家族の暮らしは大混乱!家族崩壊の危機に…!?
 映画界の巨匠・山田洋次監督が、国民的映画「男はつらいよ」シリーズ終了から20年の時を経て作り上げた、ファン待望の喜劇映画「家族はつらいよ」。第1作は「熟年離婚」、第2作では「無縁社会」をテーマに、日本中の家族をもつ多くの人々が共感し大ヒット。シリーズ最新作のテーマは【主婦への賛歌】!気遣いのなさ過ぎる夫の言葉に、溜りに溜まった不満が爆発!ついに家を出てしまった妻と、一家の家事を担う主婦がいなくなる!という緊急事態に直面した家族の大騒動を描いた、山田洋次監督が贈る家族のドラマ。

推薦コメント

安藤紘平(映画監督、早稲田大学名誉教授)

 山田洋次監督の喜劇映画は、まさに名人芸である。またまた抱腹絶倒の「崩壊しかかった新たな家族」を生み出した。
 考えてみれば、『家族』とは血の繋がった集合体ではない。その中核である夫婦はそもそも赤の他人。その二人が家族の中核を成すにはそれなりのお互いの“気遣い”と“思いやり”が必要で、本作は夫のあまりにも気遣いの無い言葉に妻が反乱を起こす作品だ。それらを笑い飛ばすその向こう側には、現代の家族のあり方がしっかり見えてくる。山田洋次監督の 技は、日本の誇るべき無形文化財である。

 

渡辺俊雄(元NHK衛星映画劇場 支配人)

 出来上がった作品の安定感、観客を確実に笑わせる腕力、山田洋次監督には頭が下がる。今回もおなじみの山田一座が勢ぞろい、しかもテーマは亭主族には恐ろしい「妻の反乱」だ。度重なる夫の身勝手な発言・行動に堪忍袋の緒を切らした長男の嫁が家出した瞬間から家中が大混乱、カオスに陥る展開は予想以上。高齢化や墓問題まで現代日本のあちこちで起こっている社会事象をあちこちにちりばめて、見ている側に「そうなんだよな」と思わせる脚本の手際はさすがだ。しかも、寅さんファンには懐かしい、妹が「お兄ちゃん」と呼びかける姿や、「柴又」の風景なども盛り込みサービス満点。映画館に安心して笑いに行ける、こうした映画がやっぱり必要なのでは、と思わせてくれる有難い作品でもある。
 ちなみに、成瀬巳喜男監督の1935年の名作『妻よ薔薇のやうに』は、アメリカで最初に上映された日本映画として有名だ。以前、衛星映画劇場で成瀬監督特集を放送した時、そんな話をしたことを思い出した。

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